[K1519] SEIKO 44KSクロノメーター [販売済]
ロービートムーブメントの最高峰が入荷!
[販売済]
亀戸セイコー製造でデビューした初代”キングセイコー”はベースムーブメントに11.5型・5振動(ロービート)のクロノスが使われました。このクロノスは極めて優秀な機械で、諏訪セイコー製の12型・5振動のクラウンと同等かそれを凌ぐとまで考えられていたようです。テンプのサイズがより大型であるクラウンと同等というだけでもクロノスの優秀さが知れますが、実際の使用でも好評をもって市場では受け入れられたのです。そのクロノスをベースとしたキングセイコーの高精度バージョンとして生まれたのがこのCal.4420A搭載のキングセイコークロノメーターです。
ここで当時の日本の”クロノメーター事情”に触れます。
時計好きの方々にはなじみのある「クロノメーター」とは元々スイスを中心としたヨーロッパ諸国の公式精度規格であり、15日間の過酷な使用条件を想定したテストを規定精度内で通過した優秀精度の時計ムーブメントに付与された「称号」です。従いましてこの称号は「公式検定機関≒天文台」でテストしてパスした機械しか名乗れないこととなります。1960年当時のセイコーがこれを知らないはずはありませんが、いちいちヨーロッパに検定で送りこんでいてはコスト面でばかにならない..等々…..の理由で、ヨーロッパの規格に準拠した基準設定でセイコー社内で独自に「検定」してクロノメーターとして販売していました。その第一号はご存知の「グランドセイコー」ファーストモデルです。国内的にも高精度時計の重要があったのでしょう、セールスも好調で以後「ライナークロノメーター」「セイコーマチッククロノメーター」「グランドセイコーセルフデイター(2ndモデル初期)クロノメーター」というように市場に投入していました。ライバルのシチズンも負けじと「クロノメーター31石」を販売しています。
そんな時に、スイスからクレームが入ってきたわけです……曰く「クロノメーターの称号はスイス等の天文台にて公式に検定を通過したものしか名乗ってはならない」…..
というわけで1966年(昭和41年)位のモデルから徐々に「クロノメーター」の表示をしなくなりました。と同時にセイコー社内ではより厳しい精度規格の「グランドセイコー規格」を設けて、その規格に沿って以後のグランドセイコーを販売してゆきます。
そんな時代の真っただ中に販売されたこのキングセイコークロノメーターですが、さらに面白いことに、販売最後期にはほぼ同じ機械Cal.4420Bを搭載してケースデザインを変えたモデルを「グランドセイコー」として販売しています。おそらく上述したクロノメーター事情も絡んでいたのではないでしょうか….その4420B搭載の「グランドセイコー」の文字板には「クロノメーター」の表示はありませんでした!
なお、4420Aと4420Bの違いは、秒針規制の方式とひげぜんまいの仕様の差異のみでした。
いずれにしましても、このクロノス系44キャリバーの最終進化バージョンとしての4420はセイコーが作り上げた最高精度の「ロービートムーブメント」に間違いないものなのです。すばらしいロービートの機械をぜひ入手されてください!ノーポリッシュのケースに綺麗な文字板と好条件がそろったものです。気になるメダリオンも問題なしですよ!!
製造年 |
---|
1966年 |
機械 |
手巻 / Cal.4420A |
精度コンディション |
プライス |
自然故障6ヶ月保証付き ¥SOLD |
素材 |
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ステンレス |
ケース径(リューズ・ラグ含まず) |
約36mm |
備考 |
2011年10月OH済 |
管理番号 |
K1519 |
精度コンディションについて
当店規定の精度レベルです。すぐのOHやメンテナンスをせずにご使用頂ける状態と思われます
現状で作動しています。但し、OHが必要になってくる時期と思われますので、日常的にご使用になられる場合はOH付がお薦めです。
1) 機械部分が長らくメンテナンスされていないデッドストック品、または
2) 作動はしますが、日差・テンプの振り等が安定しない状態の品になりますので、ご使用になられる場合は早めのOHをお薦め致します。要OHの状態です。日常使用には向きません。