[K2808]　SEIKO　　　　エキストラフラット N.O.S [販売済]

[K2808]　SEIKO　　　　エキストラフラット N.O.S [販売済]

シントー10セキ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
☆セイコーが戦後発売したこのエキストラフラットは「その後」と「それまで」の橋渡しをしたというべきモデルでしょう。

＊「それまで」
　シントーとは神道のことではありません。新10型（シントウガタ）の略で「シントー」です。
10型は機械のベースになる地板（ジイタ）サイズの事で1型は1リーニュ（約2.25mm）10型は約22.5ミリ径をした地板の機械となります。
また、このセイコーにおける「新」とは戦前から使用していた「旧」モデルに対してのことで、旧10型は「モリス型」などと称されますが、それに対して戦後になり開発したのが今回の「シントー」です。
しかし、なにより戦後の混乱した時期の開発製品ですので、正直旧型との精度差はそれほど追い込んだものではなく、どちらかといえば「外観」を直線的にデザインして当時としての「モダン」に仕立てた機械といえるかと思います…….。
ですので、機械としては「旧型」に属しますね…….
そして、時計の外装サイズですが、サイズ30ミリ以下の、それも25ミリに近いようなサイズが多かったのです。正直小さいです。

＊「その後」
昭和25年（1950年）に投入されたスーパーが本格的中3針モデルでいよいよ新時代の幕開けですが、中3針の初モデルとあってまだまだこなれた作りとならずでした……昭和31年（1956年）にデビューする「マーベル」こそがセイコーの戦後の新時代を告げた一本といえます。
また、外装的には、ケースがいよいよ時代の要請からか、外装サイズ大型を求める傾向が世に満ちてきます。このエキストラフラットはご覧の通り30.5ミリ径でその点で「新しい」のです。スーパーには30ミリ以下が沢山ありましたが、マーベルにはありません。この点から
このエキストラフラットは「その後」へとつながります。

エキストラフラットはそれまでの「旧時代の機械」に「より当時としてのモダンデザインの外装」を詰め込んだ折衷モデルなのです。こういう観点からして、エキストラフラットは「その後」と「それまで」の橋渡しをした、と冒頭で述べたわけです。

＊さて、現品ですが、街の時計店で永らく眠っていた所謂デッドストック品です。New Old Stockですね。
但し、ご承知の通りですが、「新品」ではありません。エンドユーザーに使用されて来なかったという来歴であり、永らく棚卸され保管されてきた過程での瑕疵はわずかですが見られすのでご理解ください。ベルトもおそらく当時の時計店で装着したものがそのままのように思えます。まだ、当時はメーカーがベルトを装着した完成製品として販売店に卸しておりませんでしたので………。

＊デッドストック品について、
デッドストック品イコール「新品」ではございません。デッドストック本来の意味では「死蔵品」つまりは悪い言葉では「売れ残り」です。
今、ヴィンテージ品としての評価は「使い込まれていない品」という点で高評価が付くのであり、売れ残っていた時計店では棚卸されて以来長い年月を経て当然「経年変化」がでています。中には、棚卸後にパーツを取られてドナーになってしまった個体だって出てきます。そういう点でデッドストック品には使用された痕跡はなくとも棚卸以降の時計店での保管状況次第ではユーズド品にも劣る品だって実際にはございます。ただし、私たちが仕入れるのそんな中でもできる限り優良なオリジナル状態を保っているものですが、ほぼすべての個体で何らかの経年変化痕跡や手を入れた痕跡が見られますので「未使用品」とは区別してお考え下さい。宜しくお願い致します。

• 当店規定の精度レベルです。すぐのＯＨやメンテナンスをせずにご使用頂ける状態と思われます

• 現状で作動しています。但し、ＯＨが必要になってくる時期と思われますので、日常的にご使用になられる場合はＯＨ付がお薦めです。

• 1) 機械部分が長らくメンテナンスされていないデッドストック品、または
  2) 作動はしますが、日差・テンプの振り等が安定しない状態の品になりますので、ご使用になられる場合は早めのＯＨをお薦め致します。

• 要ＯＨの状態です。日常使用には向きません。

＊アンティークウォッチは当時の技術水準で製造されておりますので、現代の時計と比較すると、精度面で多少劣る場合もございます。 　その為、１日最悪±３分前後の誤差は御了承下さい。 ＊但し、上記の状態全てにおいて現状販売でお買上げの場合、無償修理・クレーム等は一切お受け出来ませんのでご容赦下さい。