[R342] ロレックス セミバブルバック
雰囲気抜群のセミバブル!
1950年代に入り、ロレックスが30年代半ばから使い続けてきたバブルバック系の機械も最終期を迎えることとなります。時代の要請はより精度の高い機械であり、またより視認性に優れた大型の腕時計でした。そのような声はすでに40年代から存在していたようで、ロレックスとしても手をこまねいていNAサイズの機械にフィットする31mmケースのモデルのみを作っている訳にはいかなかったようです。その声への”とりあえずの回答”が50年代に入ってすぐに発売された、この通称「セミバブルバック」となります。
まずはケースサイズ=33~34mm!
今現在の目で見ても「小さすぎる」とは感じません。私はヴィンテージウオッチの黄金サイズは34~37mmと感じますのでこのセミバブルもそのサイズに入ってきます!ケースの大型化で文字板もすっきり大きくなり一見してすぐに針の位置を認識できます。そして、本来は大型化したケースにはやはり精度の向上に大いに貢献する大型テンプを搭載できる大型化した機械を入れたいところです。が、11.5型の新ムーブメントCal.1000系の発売は50年代半ばでした。開発自体はおそらく40年代後期くらいから進んでいたと推察できますが、実用化して販売できるレベルにはまだなっていなかったようです。そこで既存の9.3/4型の機械の外周に”つば”をつけて見た目大型化しております。
そのつば付きの大型化こそがセミバブルといわれる所以であるケースバックを生んだのです。つまり機械が見掛け上大型になると、取り付ける巻上げローターも大型化します。すると、ローターの“平らな部分”の面積が広くなり、そのことによってケースバックの形状もふたの中央の平らな部分が多くなるの訳です。この形状こそが、31mmサイズNAバブルのケースバックがぽっこりしているのに比してより平らなわけで、「セミ」な「バブル」みたいな「バック」となるわけです。(ただしセミバブルバックは日本国内の造語と思われます)
まあ、来る1000系ムーブメント発売までの「つなぎ」であったのは間違いありません。ロレックスとしても、苦肉の策だったのでしょう。本当は大型化した機械を入れたいところを旧来の機械の心臓部のままでしのいだのです。先に私が「とりあえずの回答」と言ったのはこの点があるからです。新ムーブ1000系を搭載した34mmケースの製品こそが「正式な回答」となるわけです!
この50年代初頭~中期にかけての数年にしか存在しないこのセミバブルバックも非常に味のあるヴィンテージとなったわけです。
現品はケースのポリッシュ仕上げはしていないように思われます。もししていても数十年前とかのレベルでしょう。従いまして使い込まれたままで本来ラグ上面に付く「やすり目仕上げ」もほぼ消滅しつつあります。また左上ラグの先端手前にちょっと目につく「当たりキズ」もあります。しかし、このオリジナルテイストのある状態は捨てがたいため、現状では磨き仕上げしておりません。希望される方には別途実費で仕上げもできます。おそらく当たりキズもほぼ目立たなくなると思います。が、しかし、仕上げによって間違いなくステンケースの肉厚は減ってしまい、華奢なラグになってしまうと思います。私はこのままの状態をお勧めしますが、最終判断はご購入者さまにお任せいたします。文字板にかんしては非常に良いと思います。この年式位にしか見られない独特な細長形状の王冠マークもレアです。ダイヤル面のハニカムもきれいです。全体に雰囲気は抜群の一本です。もとより製造本数の少ないセミバブルです。ぜひこの50年代テイストにあふれる逸品をご入手ください!!
製造年 |
---|
1954年(裏蓋刻印) |
機械 |
自動巻 / Cal.645 |
精度コンディション |
プライス |
自然故障6ヶ月保証付き ¥SOLD |
素材 |
---|
ステンレス |
ケース径(リューズ・ラグ含まず) |
約33mm |
備考 |
2011年12月OH済 / エクステンションブレス付き |
管理番号 |
R342 |
精度コンディションについて
当店規定の精度レベルです。すぐのOHやメンテナンスをせずにご使用頂ける状態と思われます
現状で作動しています。但し、OHが必要になってくる時期と思われますので、日常的にご使用になられる場合はOH付がお薦めです。
1) 機械部分が長らくメンテナンスされていないデッドストック品、または
2) 作動はしますが、日差・テンプの振り等が安定しない状態の品になりますので、ご使用になられる場合は早めのOHをお薦め致します。要OHの状態です。日常使用には向きません。