[S1349] IWC C.53 懐中時計
19型粒金仕上げの逸品!
懐中時計ファンの皆様お待たせいたしました。
IWCの懐中時計用ムーブメントの代表格C.53を搭載したハンターケースの逸品が入荷しました。
ムーブメントのシリアルナンバーから調べたところ、製造年式は1914年です。日本では大正3年にあたるこの年、世界では過去に経験したこともない大きな戦争が彼の地ヨーロッパで勃発しました…….第一次世界大戦。同年の6月ボスニアのサラエボで墺皇太子が地元青年に暗殺された……ここから世界の政治・経済・民族等などの覇権をめぐる思惑が連鎖し一気に世界中に戦火が広がったものでした。そんな1914年に製造され、今現在まで幾多の戦禍をくぐりぬけて存在するこのIWC懐中時計…..感慨深いものがあります。
現品は、いわゆる「トリプルサイン」ものです。
トリプルサインの時計は高評価されるものですが、その「トリプル」とは、1.ムーブメント、2.文字板、3.ケース、となります。この三つのパーツにすべて同一メーカー銘が刻印されているものが「トリプルサイン」。つまるところ、時計の全ての構成パーツが自社製で有ることの証なのです!「ん?」と思われる方もいらっしゃるでしょうが、初期の家内工業(マニュファクチャー)で時計をくみ上げていた時代以後、早くから分業が進んだヨーロッパ各地では、機械メーカー/ケースメーカー/文字板メーカーの全てが別でそれらを組み合わせて「完成品」として販売しているものが非常に多かったのです。(腕時計の時代になった今でも実はこの図式のままの成り立ちの「時計」が一部を除きほとんどなのですが…….)
1.ムーブメント:19ライン(19”’=19型)の機械径(「落径」と呼びます)でご覧の通りの「粒金」(リュウキン)仕上げです。ヨーロッパではこの手の真鍮細工を「ギルトブラス」と呼んでいますが、その外観はロジウムメッキ等の白系に仕上げられた機械よりもよりノスタルジーを感じさせる好ましいものではないでしょうか?資料によりますとC53は1888年から1927年までの長期にわたり細かなヴァージョンアップをしながら製造されたようです。石数は明示されておりませんが、恐らく15石ではないかと思います。当社でのOHは行っておりませんが、現在非常に良好に作動しております。テンプのぶれもなく精度も申し分ありません。ただし天芯に耐震装置のない時代の機械ですので取扱いには細心の注意が必要とお思いください!
2.文字板:懐中といえばやはりこの「七宝文字板」でしょう。ちょっとしたショックでも割れやすかったりとデメリットもありますが、何といってもその耐湿性・耐経年劣化性はメタル文字板の比ではありません。それはこの98年前の現品の美しい色と視認性が証明しております。ひび割れは見当たりませんが、スモールセコンドの小ダイヤル面にスクラッチ傷が見られます。全体には90%の状態でしょう!
3.ケース:14金のイエローゴールド製のハンターケース(両蓋)です。IWCの刻印が入った正真正銘の純正ケースですね。表面の仕上げはいわゆる「魚子(ななこ)模様」です!この仕上げはその昔は職人さんが手彫りで仕上げていたそうです……考えられない時間をかけて彫っていたのでしょうね….話は脱線しますが、この「ななこ彫り」の職人さんは集中して彫りすぎで精神に問題をきたすかたが多かったとの逸話を聞いたことがあります。この現品が手彫りであるかは残念ながらわかりません。
100年の歳月を耐え抜いたIWCのハンターケース懐中時計。ぜひ次のオーナー様になってみませんか?
製造年 |
---|
1914年 |
機械 |
手巻 cal.53 |
精度コンディション |
プライス |
自然故障6ヶ月保証付き ¥SOLD |
素材 |
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14KYG |
ケース径(リューズ・ラグ含まず) |
52mm |
備考 |
箱付 |
管理番号 |
S1349 |
精度コンディションについて
当店規定の精度レベルです。すぐのOHやメンテナンスをせずにご使用頂ける状態と思われます
現状で作動しています。但し、OHが必要になってくる時期と思われますので、日常的にご使用になられる場合はOH付がお薦めです。
1) 機械部分が長らくメンテナンスされていないデッドストック品、または
2) 作動はしますが、日差・テンプの振り等が安定しない状態の品になりますので、ご使用になられる場合は早めのOHをお薦め致します。要OHの状態です。日常使用には向きません。