[K1542] リコー     ダイナミックエスコート N.O.S [販売済]

[K1542] リコー     ダイナミックエスコート N.O.S [販売済]

高野精密工業⇒リコー時計
          

国産第四のメーカー「リコー」の手巻腕時計。未使用デッドストック品です。
現在はリコーエレメック(株)の社名になりましたが、RICOHグループの独立メーカーとして腕時計の新製品を未だに投入しております。残念ながら、現在は機械式のラインナップは無いようですが、1967年(昭和42年)、伊勢湾台風の被害により工場壊滅となったタカノ(高野精密工業)を引き継ぐ形で三愛グループ総帥・市村清氏がリコー時計(株)を創業しました。

セイコー・シチズン・オリエントという国内三大メーカーの牙城にタカノ改めリコーとして再度挑むこととなった訳ですが、リコーは機械設計を一人の天才技師に託すこととなります。
みなさんCMWを御存じでしょうか?これは、アメリカ時計学会の技術試験をパスした技師にのみ与えられる称号Certified Master Watchmakerの略で一般的には「公認高級時計師」と訳されています。
そして昭和29年のCMW国内第一回試験に弱冠25歳にして合格した末和海(スエ カヅミ)氏にリコー時計の設計を一任したのです。末氏自身は昭和31年に当時のロレックス国内輸入代理店リーベルマン・ウエルシュリーで日本人初の技術者として入社するなど既に技術面では日本人として抜きんでた存在でしたが、その後、高野精密に昭和34年(1959年)に入社しております。当時はまだ設計にはかかわっていなかったようですが、やがて設計にかかわるようになった頃にはタカノは伊勢湾台風で経営悪化し昭和42年(1967年)リコー時計となったその年になってようやく末氏の設計自動巻ムーブ第一号「ダイナミック・オート」がRICOH銘で発売となるわけです。このダイナミックオートについてはロレックスのデイトジャスト機構に相当する機構にトラブルが続出し「返品の山….云々」の逸話が多いのですが…….その辺のお話はまた後日。

さて、現品の手巻ダイナミック・エスコートですが、その末氏の設計であるか否かは正確なデータがないために確認できません。RICOH銘の機械式設計は末氏が行ったとなっているようですのでこのエスコートも氏の設計である可能性が高いと思います。末氏はダイナミック・オートの失敗後に、より高耐久性と調整の容易性を考慮した新自動巻である「ダイナミック・ワイド」を設計した後リコーを退職しました。以後このダイナミック・ワイドは輸出向けの腕時計ムーブとして20年以上永らえたようです。
それにしても、このようにただ一人の時計技師の思想で設計された機械をそれなりに大量生産化するとは現在の市場理論ではありえないです、リコーとしてもかなりの冒険であったと思います。現在アンティーク市場では流通量はかなり減ってきましたが相変わらずの低評価のようです。しかし、このような生い立ちを持つ国産時計は今後二度と生産されないでしょう。時代のアダ花と言うと言いすぎですが、なんとも憎めない国産四男坊ではありませんか?国産腕時計史の一ページを飾るRICOHの機械式腕時計。集めてみると……..以外にも機種も文字板もケースデザインもかなりのバリエーションがあり楽しいこと請け合いです!!ぜひ。

製造年
1960年代
機械
手巻
精度コンディション
プライス
自然故障6ヶ月保証付き
¥SOLD
素材
金メッキ / ステンレス
ケース径(リューズ・ラグ含まず)
35mm
備考
2012年1月OH済 / デッドストック品 / 取説・タグ・値札有
管理番号
K1542
 
 

精度コンディションについて

  • 当店規定の精度レベルです。すぐのOHやメンテナンスをせずにご使用頂ける状態と思われます

  • 現状で作動しています。但し、OHが必要になってくる時期と思われますので、日常的にご使用になられる場合はOH付がお薦めです。

  • 1) 機械部分が長らくメンテナンスされていないデッドストック品、または
    2) 作動はしますが、日差・テンプの振り等が安定しない状態の品になりますので、ご使用になられる場合は早めのOHをお薦め致します。

  • 要OHの状態です。日常使用には向きません。

*アンティークウォッチは当時の技術水準で製造されておりますので、現代の時計と比較すると、精度面で多少劣る場合もございます。  その為、1日最悪±3分前後の誤差は御了承下さい。 *但し、上記の状態全てにおいて現状販売でお買上げの場合、無償修理・クレーム等は一切お受け出来ませんのでご容赦下さい。